2013年3月22日金曜日

Jerry Collinsの身に一体何が?

(2012年6月9日・香港にて)
日本国内で起きた事件の詳細や続報を、日本の報道サイトではなく、海外のサイトから日々情報収集している、という状況自体がとても奇妙に思えています。

元All Blacksで先月までトップリーグのヤマハでプレーしていたJerry Collinsが、刃渡り17cmの包丁を不法所持していたために、静岡県浜松市の遠鉄百貨店の地下一階の食品フロアで先週土曜の午後5時ごろに逮捕された、というニュース。

拘留期間が延長となり、現在も浜松警察署に身柄を拘束されているようですが、事件の詳細や背景、現在の捜査の進展状況については、日本語のウェブサイトでは全く情報がありません。一方、NZ Herald, 3 News, TVNZ等のホームページでは、連日のようにこの事件のことが報道されています。

2007年のワールドカップを最後に、All Blacksの漆黒のジャージーに身を包んだ姿を見ることはなくなったJerry Collins。2009年からラグビーを見るようになったアタシは、彼のAll Blacksでのプレー姿をライブで見たことはありませんでしたが、彼のユニークなヘアスタイルをはじめ、All Blacksでの逸話や武勇伝を耳にする機会はたくさんありました。

All Blacksと所属していたHurricanesを離れ、仏蘭西のToulonやウェールズのOspreysでプレーしていたことを知ってはいましたが、いずれも日本で試合をテレビやスポーツバーで見る機会は無し。そんな彼がヤマハでプレーすると知った時は、とてもワクワクしたことを覚えています。

ただし、2008年にHurricanesでのパフォーマンスが前年までのそれと比較にならない程にひどく、そのために逃げるように早期退団したとか、怠慢な練習態度と期待外れのパフォーマンスが原因で二年契約のはずが仏・Toulonを一年でクビになってしまったとか、Ospreysでも全盛期には程遠いプレー内容だったとか、あまりポジティブなニュースがなかったのも気になっていました。

残念ながらヤマハでのプレーもなかなか目にすることができず、結果的にテレビ放送やスタジアムで彼の姿を見ることができたのは、トップリーグでほんの数試合(おそらく片手で数えられるほど)と、昨年6月に香港で行われたSaracens対APB Barbariansの一戦に止まりました。

そして今回の事件。

John Kirwan前日本代表監督や、Jerry Collinsの親戚で元チームメイトでもあるTana Umagaの談話、お父さんのコメント等々を読みましたが、いずれも「ただただ驚くばかり。」や「詳しいことはわからない。」「最近は連絡が途絶えていた。」といった内容でした。

下記のニュースを読んだ限りでは

Mystery surrounds Jerry Collins' arrest
(2013/03/21 www.3news.co.nz)

Collins remains behind bars in Japan
(2013/03/20 www.3news.co.nz)

Collins sweating and behaving strangely - witnesses
(2013/03/20 www.nzherald.co.nz)

Jerry Collins to remain in custody
(201/03/20 tvnz.co.nz)


「『店員を脅したり、暴力をふるったり、またレジから金品を強奪しようとしたために逮捕されたのではない。Jerry Collinsは大汗をかいて何かに脅え、英語を話すも内容が不明瞭で挙動不審であったことから、店員が警備員を呼んだ。その際、Jerry Collinsが包丁を取り出してレジカウンターに置いたため、警備員がその包丁を取り上げ、警察署に通報し逮捕となった。』と取材に応じた百貨店の責任者のアオノ カツユキ氏が状況を説明した。」

「2月18日に所属していたヤマハを退団した後、彼は一旦帰国したものの(少なくとも先週初の時点ではニュージーランドにいたことが確認されている)、先週末に浜松に再び戻っていたことをチームや多くの人が知らなかった。」

「弁護士資格を持つ本国の代理人が、次シーズンに向けて別のチームと契約交渉中の段階にあり、そのため、Jerry Collinsがこの時期に日本に戻ったのは決しておかしなことではない、とコメントしている。」(ってことは、日本国内のチームと交渉中ってことでしょうか???)

「現在は、警察署で家族や友人、弁護人等との面会が認められている。」

「Jerry Collinsは、ナイフを所持していた理由について『護身用』と証言しているが、Facebookの彼のページに「数人に後をつけられているから、早々にバーを立ち去る方がいい」というコメントが書き込まれていた。(既にそのコメントは削除されている。)」

「事件発生当時、ドラッグを服用していたか、精神的な疾患を抱えた状態だった可能性も指摘されており、近いうちに薬物検査を受ける可能性もあるだろう。」

「最大で23日間の拘留が認められており、今後少なくとも10日間は警察署に拘留されることになるだろう。」

百戦錬磨のプロスポーツ選手が精神的に追い詰められるほどに、身の危険を感じる事件に巻き込まれていたのかもしれませんし、そうでなかったのかもしれません。

事情はともあれ、責任能力の充分にある心身状態で法を犯したとすれば、それに対する償いや責任を求められることになるのは当然のことだと思いますが、今はまだそれを語るには時期尚早ですし、限られた情報や憶測だけでこの事件を面白おかしく揶揄するのは、少なくともラグビーファンがすべきことではないと思います。

警察の捜査が終了し、事件の真相が一日も早く公表されることを祈るばかりです。

昨年6月の香港で、Saracens対APB Barbariansの試合終了から数時間が経ち日付はすでに6月10日(日)、スポーツバーが軒を連ねるエリアのとあるお店で仏・Top14の決勝戦のToulouse対Toulonを友人達と観戦していたところ、ふらりとJerry Collinsが姿を見せました。「体が大きく、陽気でフレンドリーなアイランダーのお兄さん」という印象で、お客さん達との記念撮影に気さくに応じていました。

近年は、選手としてなかなかポジティブな評価が先行することが少なかったようですが、All Blacksで48キャップという輝かしい実績や数々の武勇伝をもつ事実はその才能と実力の証しなわけで、 再びその勇姿をピッチの上で見せてくれる機会があることを願っています。















拍手する

2 件のコメント:

いちはら さんのコメント...

コリンズには、昨年秩父宮でサイン&記念撮影をしてもらいました。
とっても気さくなナイスガイでした。
トップを金髪にした独特のヘアスタイルで、またピッチに戻ってきてもらいたいです。

まーこ。 さんのコメント...

いちはらさん、トップリーグではなかなか活躍するところを見れなかった気がします。秩父宮での試合数がそれほど多くないからか、あるいは、たまたま秩父宮での試合に出場しなかったからかもしれません。
今も拘留中のようですが、早く真相が明らかになってほしいです。