2013年12月10日火曜日

Brian O'Driscollの人生最後のAll Blacks戦をダブリンで(後篇)。

※只今、読者アンケート実施中(一問のみ)。左のサイドバーにあります。


プログラムは、5ユーロ(約700円)。


選手入場時には大音響と共に炎が上がり、スタジアムに集まった超満員の愛蘭ファンの熱気


(というかむしろ「気合」?)と大歓声は、秩父宮の日本対新西蘭戦とは比較にならないものでした。



今回一緒に観戦したお友達は日本人の方でしたが、ダブリンでの生活も長く


元ラガーマンの愛蘭人のダンナ様を含めて家族そろって大のラグビー好き。



Amhrán na bhFiannとIreland's Callの二曲を大きな声で歌っていました。



余談ですが、アタクシ、Brian O'Driscollの生の歌声、隣で聞いたことがありまする。。。(こちら☆


そして、気になるAll BlacksのHakaは…。



もしかして、もしかして今回は正面から見れちゃうかも???


ということで、かなり手ぶれしてますがアタシの席から見えたHakaをどうぞ。



アタシ達が座ったのは、バックスタンドの22メートルライン付近で前から5列目でした。


手を伸ばしたら、Tommy Boweの背中に届きそう。。。


Brian O'Driscollだって、すぐ目の前にいます。



そして午後2時、運命のキックオフ。



試合結果は既知の通りですが、前半4分の先制トライに始まり、愛蘭がAll Blacksを突き放していくとは


誰が予想していたでしょうか…。



「会場のファンも一体となり」というのはまさにこのこと。



Rob Kearnyの独走トライをはじめ、なんだか神がかり的な強さを感じ


「今日はAll Blacksは勝てないかも。。。」という思いが試合の前半から頭をよぎったのは


All Blacksを応援するようになってから、恐らくこの試合が初めてだったような気がします。



愛蘭の不動のセンターコンビと言えば、Dordon DarcyとBrian O'Driscollの二人ですよね。



All BlacksのMa'a NonuとConrad Smithがセンターコンビで出場した52試合を上回るのだそう。


この試合のGordon Darcyはとても素晴らしかったと絶賛していた記事をどこかで目にしました。



Brian O'Drsicollは愛蘭代表として128試合目となり


Ronan Ogaraの持つ愛蘭代表最多キャップ数の記録に並んだのだそう。



この試合でトライを決めた愛蘭代表のRory Bestは、右手首を負傷。

(左から三番目で右手をかばっているのがRory Best)

前半の途中で交代しましたが、全治8週間だそうです。



あっという間に19-0まで点差が開いた前半は、ド素人のアタシが見ていても


All Blacksにあまり見せ場がありませんでした。



具体的に何が悪かった、といったことは全くわかりませんが、とにかくアタシ達の座ってるところまで


なかなか進んでこなかった気がします。



「鉄壁の守備に阻まれ」って感じでしょうか。



All Blacksは、なんとかトライを一つ決め、前半終了時のスコアは22-7で愛蘭がリード。


 
アタシの座ってるサイドで、このシーンがもっとたくさん見れると思ってたんですけどねぇ。。。


愛蘭を応援するアタシのお友達は大喜び、アタシ、もはや泣きだす寸前。。。


サイドの変わった後半。



結果から言えば、All Blacksは無失点、そして最後の最後に大逆転するわけですけど


スタジアムで見ていて、「All Blacksなら逆転して勝てる」というような気持ちになかなかなれませんでした。



「このままじゃ負ける…」という勘というか焦りというか、そういうものがずっと心にありました。


それにしても、こうして見ると愛蘭代表のフォワードの殿方って皆おっきいですね…。



Brian O'Driscollは、このタックルで負傷、途中交代でピッチを降りました。



アタシがこの背中をスタジアムで見ることは、もう無いだろうなぁ…。



そうそう、全然いい写りの写真じゃないんですけど、左端と右端に写っている選手二人にご注目。



ボールを持っているのはRob Kearny、右端で走っているのはこの日11番をつけていたDave Kearny。


この二人、普段は共にLeinsterでプレーする兄弟で、Rob Kearnyが3歳年上のお兄さんなのだそう。


今年のBritish & Irish Lionsのメンバーにも選出されていたRob Kearnyのことは以前から知ってましたけど


弟もプロのラグビー選手で、しかも代表にまでなっていたとは知りませんでした。


Dave Kearnyの必死のタックルを交わすKieran Read。


この試合が代表2キャップ目だったDave Kearnyと今年のIRBの最優秀選手のKieran Readでは


Kieran Readの方が一枚も二枚も上手だったようです。



それにしても、後半に愛蘭が無得点だったのが信じられない感じです。



ジリジリと追い上げるAll Blacksと、とにかく逃げ切りたい愛蘭。



このペナルティーが決まっていたら愛蘭が勝てたのに、と恐らく世界中の愛蘭ファンが嘆いた


Jonathan Sextonのペナルティーキック。



まさか、TJ Perenaraが「はずれろーっ」と念を送ってたわけじゃないと思いますけどね。(←当たり前)


このAviva Stadiumと言えば、ゴールキックの際に会場中が一斉に静まり返るのが印象的ですよね。


当日も、誰かが声を出すと会場中から「シーッ」という声があちこちから上がりました。


ブーイングだらけの中で蹴るのと、まるで会場中の全員が息を止めているかのような静けさの中で蹴るのでは


どっちの方がプレッシャーがかかるんでしょうかね。


22-17と愛蘭がリードしたまま、とうとう80分を迎えましたが、最後のワンプレーでなんとAll Blacksがトライ。


Aaron CrudenのパスがスローフォワードではないかということでTMOとなりました。


スローフォワードとなれば愛蘭の勝利、トライが認められれば同点で更にコンバージョンキックとなります。


スローモーションでの映像がスクリーンに何度もリプレイで映しだされ


そのたびに会場を「Forward Pass!!!」というファンの声が包みました。


それを打ち破るかのように、主審のNigel Owensの左手が高々とあがり、とうとう同点。


アタシは思わず飛び上がってしまいました。


Aaron Crudenのコンバージョンを見守るAll Blacksは、実はこんな姿だったんです。



りっちー、膝をついて祈ってる?????


Aaron Crudenはこのコンバージョンを外したのですが、愛蘭のチャージが早すぎたということでやり直し。


このスタジアムとしては異例とも言えるブーイングの声があちこちからあがる中、


二度目のコンバージョンをAaron Crudenがきっちり決めてこの試合の決着がつきました。



スタジアム観戦した試合の中ではベスト中のベスト。


テレビ観戦したものを入れれば、2011年のワールドカップの決勝と同じかあるいはそれ以上の試合でした。




(おまけ篇に続く。)


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