実はまだハイライトしか見ていないのですが今年のSix Nations、倫敦のTwickenham(トゥイッケナム)は「超」がつくほどの好ゲームばかりですよね。カードそのものを見れば盛り上がること間違いなしの対戦であるため当然のごとくチケットを手に入れるのも容易なことではありません。しかーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーし。Twickenhamで行われるテストマッチを必ず、そして毎回同じ席で見ることができるオプションが実在するのをご存知でしょうか。それは英語では「Debentures(ディベンチャーズ)」あるいは「Debenture Seat」と呼ばれているのですが意訳すると「優先指定席」とでも言えばいいかなと思います。確か、今年のトップリーグでも秩父宮で毎試合同じシートで試合を見ることができる「年間指定席」のようなチケットがあったと記憶しているのですがTwickenhamのDebenturesはなんと10年間有効。Twickenhamには、Debenture Seatが約8,000席ほどあるそうです。(保有者は約3,000人だそうです。)全体のシート数の約10%ですね。多いのは、一番試合が見やすいといわれる中層階(二階席)のエリア。チケットの値段が一番高いエリアともいえます。お値段は10年間で4,000ポンド。現在の為替レートで計算すると約70万円となります。ちなみに、これはあくまでも「その席を確保するための権利」に対する値段なので試合のチケット代は含まれていません。どういう仕組みかといいますと。このDebenturesはTwickenhamで開催されるテストマッチ(秋のテストマッチシリーズやSix Nations)やPremier Shipの決勝等のビッグマッチに適用されるもので、RFUが主催・管轄の試合が対象です。そのため、上記の試合日程やチケットの詳細が決まると、まず最初にRFUからDebenture Seatの保有者に「今回、この試合を観戦しますか?」という連絡が来るそうです。そこで「Yes」と返事をすれば、その席のチケットはDebenture Seatの保有者に割り当てられチケット代が請求されます。「No」と返事をすれば、その席のチケットは優先販売や一般販売に回されるんだそうです。アタシの会社の倫敦オフィスの同僚は、このDebenture Seatを一家で4席横並びで確保してるんだそう。どうりで、プラチナチケットといわれる対All Blacks戦を毎年観戦できるわけです。年間10試合程度として、一年あたり約7万円、一試合あたり約7千円の優先座席指定料と思えばお買い得?
このDebenturesは誰でも購入できるものではなく
RFU傘下のクラブチームに所属していなければなりません。他人への譲渡や転売は不可で、途中で権利放棄(返却)する場合は差額が返ってくるそうなんですが実際に返金を受けられるのはかなり先のことなんだそうです。Twickenhamと言えば、2015年のワールドカップのメイン会場。ただし、ワールドカップはRFUが主催・所管の大会ではないためこのDebenturesの権利は適用されないんですって。そのために、一部のDebenturesの保有者からはかなりのクレームが上がっているんだとか。ワールドカップが開催されると、その年の秋のテストマッチシリーズは行われませんからそうなると約半年分の権利が無駄になるようなものですもんね。蘇格蘭のMurrayfield、愛蘭のAVIVA、そしてウェールズのMillennium StadiumにもDebenturesは存在するようですが、それぞれの席数や有効期間、値段、購入方法についてはわかりませんでした。Twickenhamについては、スタジアムツアーに行ったときにツアーガイドさんが丁寧に教えてくれました。(まだブログにあまり書けてませんが、実はスタジアムツアーの参加者がアタシ一人だけだったのでカスタムメイドのツアーになっちゃったんです。)南半球の場合はどうなんでしょう?各国にテストマッチが開催できる大規模なスタジアムがいくつもありますからDebenturesのシステムを設けるメリットはあまりないかもしれませんね。あぁ、いつの日かTwickenhamで見てみたい英蘭対All Blacks・・・。なお、掲載した写真は2012年5月に観戦した英蘭対Baa-baas戦とスタジアム見学ツアーで撮影したものです。
2014年3月14日金曜日
10年間、Twickenhamの同じ席で全てのテストマッチを見る権利。
Labels:
All Blacks以外 - England
登録:
コメントの投稿 (Atom)
4 件のコメント:
貴重な情報ありがとうございます。確かにトゥイッケナムのチケットを入手するのは困難ですよね。
自分も何度かトゥイッケナムで観たことはありますが、やはりあの伝統的な雰囲気は、南半球のスタジアムとはまた違った良さがあります。
今年のシックスネーションズは面白いゲームが多いので、来年あたりにまたスタジアムで観戦したくなりました。
長年かけて出来上がった伝統って、独特の威厳や力を感じますよね。スゴイですね。
bubuさん、お久しぶりですね。
そうですね、特に英蘭代表の試合をこのスタジアムで見るのはなかなかハードルが高いですね。
アタシは、南半球でのスタジアム観戦はワールドカップしか経験がないので単純比較はできないのですが、北半球には特に「伝統」と「誇り」という言葉が似合う気がしますね。
タカヒロさん、そうですね、ホントに「威厳」とか「プライド」と言った言葉が似合いますよね。
日本はその点ではまだまだ到底及ばないのは仕方がないですかね。
コメントを投稿