2014年7月5日土曜日

Nick CumminsがW杯出場よりもトップリーグを選んだ理由とは。

「現WallabiesのNick Cumminsがコカ・コーラレッドスパークスへ」というニュースの第一報を目にしたのは


ちょうど昨日のランチタイムのことでした。


英語の報道記事だったんですが、その時はピンとこないというか、全然納得できない内容だったんですよね。


(2013年11月 アイルランド・ダブリンにて撮影)

 
所属するオーストラリア協会(ARU)とWestern Forceとの2015年末までの契約を途中解除、


今季のスーパーラグビー終了をもって来日するってことは


8月から始まるチャンピオンシップや11月の北半球遠征はもちろん、


来年のワールドカップにも出ないってことですよね。


近年、Wallabiesのスタメンとして定着してきた感がありましたし、


独特のヘアスタイルやユーモアのセンスで世界中でその人気が急上昇中の26歳。


なぜ今日本へ???


その答えがわかったのは、それから半日経ってからのことでした。
 

(2013年11月 アイルランド・ダブリンにて撮影)


複数の報道記事に目を通したんですが、2カ月程前から日本行きの噂があったみたいですね。


(2014/07/04 http://www.smh.com.au)


そしてその理由は、闘病中の家族と過ごす時間を増やし、治療費等の経済面での援助をするため。


Nick Cumminsは8人兄弟の大家族で、そのうちの二人(弟さんと妹さん)が嚢胞性線維症という難病を患い


弟さんは現在入院治療中。


2012年にベストファーザー賞を受賞した父親のMarkさん(こちら☆)は


男手一つで闘病中の子供たちの面倒をみてきたのに加え、昨年に前立腺癌の宣告を受けたのだそう。


(ちなみに、調べた限りではNick Cumminsは兄弟の中で最年長というわけではないようです。)


この嚢胞性線維症という聞き慣れない病気は、日本では約187万人に一人程度の発生率だそうですが


欧米ではよく知られる遺伝性疾患で、20代から30代半ばでその人生を終える患者さんが多いのだとか。


Nick Cumminsは、昨年末にARUと二年契約を結ぶ際に「一年でその契約を途中解除できる」


という条項を入れていたそうで、それを行使し更に早期リリースの申し入れをしたようです。


Western ForceとWallabiesから支給されている報酬の30万豪ドル(約3千万円)の


少なくとも二倍以上の額がコカ・コーラレッドスパークスから支払われる、といった報道もありました。


そう言えば、Wallabiesって今年から日当や試合出場給が減額されちゃったんですよね…。(こちら☆


リーグ戦の試合数が少ないことや、オーストラリアからの移動距離や時差のことを考えると


ヨーロッパへの移籍よりも日本のトップリーグは彼にとって条件に見合うものだったんでしょうね。 


もしかして、6月のテストマッチ期間中にかつて釜石シーウェイブスでプレーしていたScott Fardyに


「日本ってどう?」って聞いてたりして???

(2013年11月 アイルランド・ダブリンにて撮影)

Nick Cumminsの公式発表の文章も目にしましたが


「I now must put my own interests in the World Cup aside.」という一文に


本当に苦渋の決断だったことが垣間見える気がします。




家族のためにも、是非日本で頑張ってほしいと思うんですが


今季のトップリーグの日程表では、東京在住のアタシが確実にコカ・コーラの試合を見れそうなのは


9月20日(土)の秩父宮の黒羊組ことリコーブラックラムズ戦だけなんですよねぇ…。


むむむ。


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2 件のコメント:

疾風 さんのコメント...

まーこさん、こんにちは。
私は夏休みを利用して7/26の網走ラグビーフェスティバルを見に行くよていなのですが、Nickはまだ来日してないですかね?

まーこ。 さんのコメント...

疾風さん、Western Forceはまだ決勝トーナメントに進む可能性がありますから、その結果次第なのでは?